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この記事では、全4回にわたり、筆者の塾講師としての経験を元に、高校物理の円運動・単振動・万有引力の考え方について説明する。これらの項目は力学の最重要単元であり、出題頻度も高い。しかし、問題には確立された解法のパターンがあるので、それを理解することで安定した得点を期待できるようになる。今回はこれら全てに共通する大前提、特に角度(弧度法、rad)や角速度ωについて解説する。

弧度法

角速度ω(オメガ)の単位は[rad/s]である。rad(ラジアン)は角度の単位であり、このような表し方を弧度法と呼ぶ。一般的な度数法との対応関係は、以下のとおりである。

0° = 0rad

30° = π/6rad

45° = π/4rad

60° = π/3rad

90° = π/2rad

180° = πrad

360° = 2πrad

弧度法は、「円からとある角度で切り取った扇形の弧の長さが円の半径のX倍になるとき、その角度をXradとする」ように定められている。すなわち、円形のケーキからXradでピースを切り取ると、そのピースの曲線部の長さは直線部の長さのX倍になる。

したがって、半径Rのとき円周は2πRとなることから、360°(一周、ケーキ全体)は2πradと表せることがわかる。

角速度ω

角速度ωとは、円運動において、「物体が1秒間に何rad回転するか」を示したバロメーターである。この性質から、重要な2つの公式が容易に導ける。

速度v[m/s]は「物体が1秒間に何m移動するか」を示しており、円運動では物体が円軌道に沿って移動するため、1秒間の移動は角ωradの扇形の弧の長さに等しい。よって、半径rの円運動では

v = rω

が成り立つ。

また、周期T[s]は「物体が円軌道を1周するのに何秒かかるか」を示しており、円を1周すると2πradで、1秒間にはωrad回転することから、

T = 2π/ω

と表せることがわかる。また、力学ではあまり用いないが、これに関連して

T = 1/f

の公式も覚えておくと良い。この式は、周期T[s]、振動数f[1/s]の意味や単位から容易に理解できるだろう。

周期Tの大切さ

T = 2π/ωの公式は非常に重要である。なぜならば、円運動・単振動・万有引力の問題は全て、周期を求めることが最終目標である、と言っても過言ではないからである。この時、ωが求まれば、公式より即座にTも求まることがわかるだろう。このように、周期Tを問われた時には反射的にωを探す心構えが必要である。

また、円運動・単振動・万有引力で『時間t』を問われた時には、いつも周期から考えるようにする必要がある。まず周期を求め、問われている時間が周期の何倍であるかを考え、

t = XT

の形で答えを出す(この時、大抵X<1である)。投射運動のように、加速度の公式等を使ってtを求めることはまず無い。